膝のお皿の下の骨に痛みが出る症状で、10歳~15歳くらいのスポーツをしている男子に多く発症します。
太ももの前面の筋肉(大腿四頭筋)は、膝のお皿の所で靱帯となり、ひざ下の骨(脛骨粗面)に付着します。
その骨の部分は、成長期の子供の場合、まだ固まっておらず軟らかいのです。
そこに運動などで繰り返し負荷がかかると、筋肉の短縮によりその部分が引っ張られて、骨がはがされ出っ張って痛みが出ます。
このような症状を「オスグッド症」と言います。
・原因
1 使いすぎ
走る・跳ぶ・蹴るなどの動きをするときには、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)は強く収縮します。
このような動作を繰り返し行っているうちに、付着部である脛骨粗面に炎症が起きてしまいます。
2 身体の歪み
最初は片方のひざ下どちらかに痛みが出るのがほとんどです。
人の体は元々、左右対称ではありません。
まず、内臓の位置が対称ではありません。
身体の使い方も、利き手・利き足・利き目などがあり、スポーツ競技でも偏った使い方をするものが多いです。
まだ歪みが小さいうちは身体のバランスを自分で修正できますが、偏った動きを続けて許容範囲を超えてしまうと、負荷がかかり続けたところに障害が出てきます。
なので、できるだけ左右均等に使えるように、日ごろからメンテナンスしておきたいものです。
3 姿勢
オスグッドになる子は姿勢が悪いです。
特に背中や腰の円さが目立ちます。
これは骨盤が後傾する(お尻が下がる)姿勢によるもので、この状態が続くと腰椎前弯(腰の反り)が無くなり、猫背のクセが定着してしまいます。
この姿勢で立っていると、自然に太ももの前の筋肉が緊張してきます。
これが長期間続くと、太ももの前が硬いのが当たり前になり、立っているだけでひざ下の骨には負荷がかかり続けることになります。
・治療と予防
1 使いすぎを避ける
普通に歩いているだけで痛い。
痛くてしゃがめない。
このような症状が出ている場合は、運動は避けましょう。
ある程度動ける場合、走ったりしゃがんだり出来るが、練習後に痛みが出る場合は、患部をアイシングすることが必要です。
その後、太ももの前の筋肉をマッサージしたり軽めのストレッチをしたりするのもいいでしょう。
2 治療法
骨格の歪みを整えて筋肉のバランスを均等にします。
特に骨盤を重視します。
骨盤が整った状態では、太ももの前の筋肉の緊張も均等になっていますので、患部にかかる負担はかなり軽減されます。
3 早期回復の為には
良い姿勢を保つことも重要です。
お尻が下がって腰が円い状態では、太もも前面の緊張がとれずなかなか治っていきません。
適切な治療を受ければ早期回復が可能です。